日も沈み、あたりも暗くなってきた頃のこと、
家中に広がる味噌汁の湯気と、
炊きたてのごはんの香り。

「ごはん、できたよ」

聞いただけでホッとするような、
優しい母の声が家の中でこだまする。

その声を聞いて、2階から大急ぎで降りてきて、
食卓に駆け寄り、

「お母さんすごーい!ごはんがキラキラ光ってる!」

満面の笑みではしゃぐ女の子を見て、
顔を見合わせて嬉しそうにうなずくお父さんとお母さん。


3人でテーブルを囲い、
手を合わせて、

「いただきます」と声をそろえる。


そして、一口一口、ごはんを味わいながら食べる。

「今日はこんなことがあったよ」
「この煮物、美味しいね」
「お母さん、私も美味しいごはんが作れるようになりたい!」

そんな楽しい会話を交わしながら、
あたたくてふっくらと炊けたおいしいごはんを口に運び、
味わうたびに、お米に宿る「光」が全身に染み渡って
胸のあたりがじわーっと温かくなり、
また明日を明るく楽しく生きる元気が湧いてくる。

そうやってみんなで美味しくごはんを食べる時間が、
まるでキセキに思える瞬間。


でも実はこの家族の食卓は、
つい1ヶ月前まで、

曇り空のようにどよーんと暗く、
ぬくもりを感じない冷たいごはんが並んでいました。
そしてそこには命の輝きも、温かい笑顔もありませんでした。

「砂の味がするごはん」

イライラしながら心ここにあらずで料理を作るお母さん。
食卓に並ぶ料理も、どこかさみしそう。
そして、上の空で、考えごとをしながら無言でごはんを食べるお父さん。

体と体は触れ合うくらいに近いはずなのに、
心と心のつながりはぷっつりと途切れてしまっている。

そんな食卓で女の子が口にするごはんは、
気が抜けていて、味もまるで乾いた砂のよう。


しかし、あることをきっかけに、

明るく光り輝く食卓に変わってから、


それまで、毎朝学校にいく時間になると、
「はぁ・・行きたくないな・・・」とふさぎこんでいた女の子も、

はじける声で「行ってきます!」と、
楽しそうに登校していくようになりました。

あんなに「定時で帰りたい・・・」とイヤイヤ仕事をしていたお父さんは、
職場で周りの人からどんどん頼られるようになり、
みんなを勇気付け、引っ張っていく存在になりました。

そして何より、
「今日も家族で美味しいごはんが食べられる」と思うと、
家に帰るのが何よりの楽しみになりました。

心の電池切れだったお母さんは、
まるで女神のような笑顔になりました。

あんなに辛いと思っていた子育てや家事も、
楽しく、なにものにも代えがたい愛と、
生きがいを感じるようになりました。


どんよりと暗く、寂しかった食卓が、
明るくほっこりする食卓に変わっただけで、
まるで長い冬を越えて、春の野に咲き乱れる花のように、
家族みんなの命が躍動し、輝き始めたのです。


一体この家族の食卓に何があったのでしょうか?

どうすれば、どんより暗く、冷たい食卓を、
光に満ち溢れた食卓に変えることができるのでしょうか?


実は、その秘密は意外なところにあったのでした。


「心を満たすごはんの条件」

これは、とある大学受験塾で実際にあったお話です。


実はこの塾は、
映画の主演である料理人ちこの人生が変わり、
御食事ゆにわをはじめる原点となった場所なのですが、

ここで、
まるで奇跡としか言えないようなドラマが
連日のように起きるようになりました。

しかもそれは、「たった一つの塩おむすび」が発端だったのです。


その大学受験塾の先生は、
ことあるごとに「どうすれば、合格できますか?」
と聞かれていたそうなのですが、

その時にいつも決まって、こう答えていました。

「ちゃんと、ごはんを食べなさい」と。


でもその「ちゃんと」って、
一体どういう意味なのでしょうか?


その塾長は、入塾してきた塾生たち一人一人と話しながら、
どんなに勉強しても成績が伸びない原因をよくよく調べてみたところ、
ある共通点があることが分かったのです。

彼らが毎日食べていたものは、
出来合いのごはんや、
冷凍食品、
さらにはファストフードばかりで、

ちゃんとお母さんが手間暇かけて作った
愛情たっぷりのごはんを食べていなかったり、

両親が共働きで忙しく、
無条件の安心感を感じられるような、
笑顔が溢れる温かな食卓が日常にないことが多かったそうです。


塾をはじめた当初も、
入塾してくる生徒は、
そもそも「勉強をする」以前の状態でした。

やる気も、根気も、積極性も、集中力もない。

そう、まるで真冬の雪の下に埋もれてしまったかのように、
命の輝きが弱ってしまっていたのです。


そんなところからのスタートでしたが、
塾長は、「勉強しなさい!」とは一言も言いませんでした。

その代わり、
毎日、毎日、
愛情をこめて握った塩おむすびを、
塾生たちがおなかいっぱいになるまで振る舞ったそうです。

塾生たちは、
まるで一つの大家族のように、
塾のリビングでおむすび争奪戦を繰り広げる毎日。


すると、1、2ヶ月後、とても不思議なことが起きました。


落ち着きがまったくなかった生徒たちが、
2時間、3時間、次第に10時間と、
自ら机に向かい、夜遅くまで勉強をするようになったのです。


そして、多くの生徒たちがそれぞれ志望の大学へ合格し、
進学していきました。


このように、

塾長先生が握ってくれた愛情たっぷりの塩おむすびを通じて、

「自分を見守ってくれている人がいるんだ」
「あぁ、なんて美味しいおむすびなんだろう」
「毎日毎日作ってくれて、本当にありがたいなぁ」
「自分は一人じゃないんだ」

そうやって、先生や周りの生徒たちとの「つながり」や「きずな」を
胸の奥深くで実感し、心のコップが満たされていったのでした。


御食事ゆにわ店長のちこも、
この愛情たっぷりのおむすびを食べて元気になった一人でした。

入塾当時、彼女は不幸のどん底にいました。

人間関係、勉強、部活、アルバイト
すべてうまくいかず、
心もカラダもボロボロになっていました。

実はそのとき、この世で一番嫌いだったのが「白いごはん」でした。


しかし、ある日、塾長が握ってくれた、
愛情いっぱいの「ひかり輝く塩おむすび」を食べて、
全身の細胞が打ち震えるくらい感動し、涙し
不幸のどん底から、人生が180度転換したのです。


このように、ただ「ちゃんと」ごはんを食べるだけで、
人は本来の命の輝きを取り戻し、元気になっていくのです。

「命を充電する場所」

たった1回でも、
愛情がたっぷりこもった、
食べただけでホッとするような、
光が溢れる食卓を体験するだけで、

人は深い深い幸せを感じることができます。


その「光」に一人でも多くの方に触れてもらうために、
御食事ゆにわでは、まるで自分のおうちのように寛げる食卓で、
光のごはんをじっくりと味わってもらったり、

あるいはその光の食卓を、
今度は自宅で実践していただくために、
少人数ではありますが、
個別にお伝えさせていただく機会も設けてきました。


ただ、日本中の家庭で、光り輝く食卓を体感してほしいと
願っている私たちからすれば、

個別にお伝えするにしても人数が限られていたり、
お店で直接お迎えできる方には限りがあり、
やはりどうしても限界を感じていた、というのが正直なところでした。


そんなタイミングで、2017年のある日、
「映画を制作してみてはどうですか?」という提案をいただきました。


当初は「映画を作る」ということは
まったく想定していなかったのですが、

もし、最高レベルの機材や映像、音楽を揃え、
わたしたちの思いに共感した撮影スタッフに協力してもらい、

わたしたちが伝えたい「光に満ち溢れた食卓」を
映像だけで伝えることができるのなら・・・

それを、日本中、あるいは世界中で見てもらえたら・・・


世界中の人が、

食卓を囲んで美味しいごはんを食べて、

心が光で満たされ、

そしてその光を周りの人たちへ届けたくなる、
そんな人たちがたくさん増えたら、きっと、

失われてしまった「つながり」をもう一度取り戻せるのではないか?と思いました。

そこで、「映画を作ろう!」と決めたのです。


映画を見ただけで、
大切に、大切に、

愛情いっぱいの、命が光り輝くようなごはんを作れるようになったら、

ごはんの味も本当に美味しくなって、
食卓が明るくなり、
心がじわーっと温かくなって、
家族がどんどん明るく元気になっていく。


そんな家庭や場が地球上のあちこちで増えていったら、
どんなに素晴らしいでしょう。


「食卓」とは、
本来「命の源を充電する場所」です。


わたしたちの拠点である大阪府枚方市楠葉という町には、
塾生からスタッフ、
「毎日ゆにわのごはんを食べたい」と
引っ越してきた経営者や子連れの家族から一般のお客様まで、

みんながごはんを食べられる食堂があります。


そこは、「他人」という枠を超えて、
みなが「一つになれる場所」なのです。


みんなで同じ食卓を囲って、
光いっぱいの愛情ごはんを一緒に食べて元気を補充し、

またそれぞれの持ち場へと戻っていきます。


お父さんは仕事へ、
お母さんは子どもと一緒に公園へ、
塾生はまた塾に戻って机に向かいます。


光溢れる食卓でごはんを食べ、命の源がチャージされると、

不思議なことに、

仕事が普段の何倍もはかどったり、

思いもしないようなアイデアが降ってきたり、

お母さんも子どもと元気いっぱい遊べたり、

細かい悩みごとや不安がどうでもよくなったり、

何時間も集中して勉強できるようになったり、

ふと、しばらくしていなかった掃除をしたくなったり、

目の前の人を抱きしめたくなるくらい愛おしく感じたり、

自然と人の幸せを願えるようになったり・・・


そんなことがしょっちゅう起こります。


このようにわたしたちは、

一部の人にしかできないような特別で難しいことを
しているわけでは決してなくて、

誰でも、どこにいても実践できる「食卓」を一番大事にしていますし、

「食卓」が光に満ちて、心と心がつながっていけば、
「生き方」そのものが変わっていくことを、

映画を通じて一人でも多くの人に伝えていきたい、

それだけでなく、命がつながり、輝く「光の食卓」を、
一人一人が今いる場所で体現してほしいと強く願っています。

「見終わってからがスタートの映画」

たった一つのおむすびができるまでに、
どれだけ多くの人が関わっていて、
どれだけ多くの人の思いがこもっているのか?

そのプロセスを、

家族で、
もしくはあなたの大切な人と、
もしくは一人で見てもらうだけで、

目の前のごはんに宿っている「光」を感じ、
食卓を囲む大切な人、目の前のごはんとのつながりを実感し、
自然と心の底から感謝して食べられるようになり、

なんともいえない幸せに包まれていく・・・


わたしたちは、

そんな、
「感覚が書き換わる映画」を目指して本気で映画制作をしてきました。


ですので、
もちろん大規模な自主上映会という形で、
数十人〜数百人、もしくはそれ以上の方に、
大きな会場で見ていただきたいのはもちろんのこと、

例えば、お子さまがいる一般の家庭やご夫婦から、
どうしても食卓を囲む機会が少ない一人暮らしの方まで、

「一緒に映画見ようよ!」

そんな気軽な感じで「映画鑑賞会」を開いて、
例えばみんなでおむすびを食べながらとか、
そうやって楽しく見ていただけたらとても嬉しいです。


しかし、もちろん「見て終わり」と私たちは思っていません。

もっとその先に目指したい未来が、高い高い理想があります。


この映画は、見るだけで感覚が変わります。
明日のごはんがもっと美味しくなります。

でも、私たちとしては、
それをきっかけに、さらに実践を深めてもらったり、
自分が光の食卓を体現したら、今度はその光を周りに
広げていってもらいたいのです。

ですから、
通常の映画のように、見て終わりではなく、
「見終わってからがスタート」ですし、
総力を結集して、
わたしたちも出来る限りのことをやっていきます。


そこで、
映画を見ていただいた方が参加できる、
「コミュニティサイト」を立ち上げ、


毎日の食卓で、
どういう思いでごはんを作っていけばいいのか?
どうすれば家族みんなが元気に幸せになっていけるのか?

そんな具体的な実践方法から、


子どもから大人まで、
安心して食べられて、外出時にふらっと立ち寄れるような、

本当に良い思いと食材で料理を作られている全国の料理人やお店
をご紹介したり、

愛情いっぱい育てられた
最高に美味しい食材をご紹介したり、

映画では収まりきらなかった感動シーンや
スピンオフ映像の公開、

日本全国の指折りの料理人やお店が一同に結集し、
美味しい光のごはんを食べながらコミュニティメンバー同士が交流できる
大規模なフードフェスや食のイベントの開催など、


これまでの食の常識をガラッと塗り替えて、

人と人、思いと思いがつながり合い、命が光り輝いていく
まったく新しい「未来の食卓の形」を私たちは創造し、
日本中、世界中に広げていきたいのです。

「命の輝きを取り戻す」

現代の社会では、
昔のように、家族がそろってごはんを食べる機会は
めっきり減ってしまいました。

それだけではありません。

出来合いの惣菜や冷凍食品が並んだり、
カロリーなどの数字だけで食材を選ぶような
偏った食事だったり、


本当は一番大切な思いや感謝、温もりまで無視された
食べ物が当たり前になってしまっています。


ごはんの中の光を感じること、
つながりの輪の中で、感謝してごはんをいただくこと、

みんなで食卓を囲み、
愛情と温もりいっぱいのごはんを食べて、命の源を充電すること。

以前はあったそんな当たり前の感覚が無くなってしまっている
ことはとても残念ですし、
わたしたちはそこに強い危機感を感じています。


もともと日本人は、
お米を神様からいただいた光だと思って
食べてきましたし、

その食への向き合い方が、
日本人の高い精神性を長い年月をかけて形作ってきました。


もちろん、昔とまったく同じような食卓や
食べ方を復活させることは難しいのは事実です。

時代は刻々と変化し、流れていくからです。


でも、だからこそ、
私たちは「映画」という新しい形で、

現代のライフスタイルに合わせながら、
日本中のすべての家庭の食卓で命の輝きを復活させたいのです。

日本のあちこちで光輝く食卓がどんどん増えて、
一人でも多くの人が元気になり、
コミュニティサイトでも、
たくさんの体験談や思いで溢れていく。


みんなで一緒にこの映画を広めていくことで、
そんな流れを作っていけたら、
必ず日本も世界も、今よりももっともっと元気になるはずです。


そういう思いで私たちは映画を作ってきましたし、
本当にたくさんの方々にご協力いただきながら、
時には映画制作を諦めなければいけないような壁にぶつかりながらも、

その度にみんなで乗り越え、

ようやく「完成」目前までくることができました。

支え、応援してくださった皆様、本当に、本当にありがとうございます。


いよいよここからがスタートです。


この映画を通じて、
一人一人の思いがつながり合いながら、
誰でも、どこにいても実践できる「食」をきっかけに、
人生が激変するような感動体験を味わっていただけたら、

これほど嬉しいことはありません。



映画「美味しいごはん」製作委員会一同

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